2022年社労士試験厚生年金保険法自己分析

健康保険法に続き、厚生年金保険法も自己分析してみました。厚年法は自己採点では、選択式が満点だったものの、択一式は5点に終わった科目です。択一式は7~8点は取れたと思っていたので、主観とのズレが一番大きかった科目でした。どこで間違っていたのか今回もしっかり分析したいと思います。

選択式

選択式は上でも書いた通り満点でした。どの空欄も択一式で複数回出題されてきているものなので満点者も多かったのではないかと思います。ただCは難しかったかもしれません。

空欄AB

空欄ABは産前産後休業期間中の保険料の免除を規定した法81条の2の2からの出題でした。Aはすぐ選べましたが、実はBはど忘れというか、育児休業と同じだったかどうか失念してしまい、最後まで悩みました。結局育児休業と同じだろうということで⑯を選びましたが危なかったです。

空欄C

空欄Cは配偶者に対する支給停止の事例問題でした。これは試験何日か前にあらためて講義を聴きなおしたところだったので答えることができましたが、聴いてなかったらYのほうを選択したかもしれないですね。ただ、択一式では過去5回も出題されているところを考えると落としてはいけないのかなと思います。

空欄D

空欄Dは60歳台前半の在職老齢年金の計算問題でした。改正されて65歳以後の場合と同じになったというやつですね。計算自体は非常にシンプルになったので簡単に答えが出た人も多かったと思います。

空欄E

空欄Eは事後重症による障害厚生年金(法47条の2)からの出題でした。これも空欄ABと同じように条文の語句を選ばせる問題でしたが、特に迷うような選択肢もなかったので素直に④を選びました。

ということで、若干Bは怪しかったのですが、他の4つは正解している自信があったので、基準点割れの心配はないなぁと思った科目でした。

択一式

択一式は上でも書きましたが、そこそこ取れたものだと思っていた科目です。だから、自己採点中は「なんで?」の連続でした。

問1

問1は併給調整の問題でした。個数問題ではありましたが、よく見る問題でしたし特に問題はありませんでした。過去に9回も出ている頻出問題ですので、絶対に落とせないですね。択一式は厚年法から解き始めたので、幸先がいいスタートがきれたなぁと本試験中は思ったものでした。

問2

問2は適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者に関する問題でした。主に法附則4条の3からの出題であり、テキストにきっちり載っていたものばかりではありましたが、少し記憶が曖昧な肢もあった問題でした。

まずAですが、過去に1回出題があり、テキストにも載っていましたが、正直よく覚えていなかったです。ただ、被保険者が全額保険料を負担するのであれば、当然納付義務も被保険者が負うといえると思いましたので誤りと判断しました。

Bは厚生労働大臣の認可が出てくるのは未適事業所だったはずと思い誤りと判断しました。これは過去に3回出題されたことがあるので判断できないといけない肢ですね。

Cは保険料の納期限の問題でしたが、若干自信がなく現場では保留にした肢です。正しくは「当該保険料の納期限の属する前月の末日」となります。過去にも2回出題されているところなので、しっかり判断できなかったことは反省しないといけないですね。

Dも正直よくわからなかったのですが、高齢任意加入被保険者のところで「厚生労働大臣の確認」の文字をみた記憶がなかったので誤りとしました。現場ではすぐ誤りとしましたが、ちょっと安直すぎる判断だなとは思います。ただ、この肢はテキストには載っていましたが、出題歴はないみたいなのでよくわからなかったのもやむなしかな。

最後はE。これが正解肢なのですが、高齢任意加入被保険者の資格喪失の申出による資格喪失時期については、健保法の任意継続被保険者、国年法の任意加入被保険者との絡みでしっかり覚えていました。全部喪失時期が違うことから注意していたので出てよかったです。

ということで、E以外は曖昧なところが多かった問題ではありましたが、正解肢だけはしっかり覚えていたので正解できた問題でした。ただ、出題歴が多かった箇所の記憶が曖昧だったのは来年に向けて反省しないといけないですね。

問3

まぁ、これも合ってるかなと思ってた問3ですが間違っていました。肢Dを誤り、肢Eを正しいとして間違いました。

まずは誤りと判断してしまったDから。Dは障害手当金に関する問題でした。障害手当金についてはちょっと苦手というか、すぐに忘れてしまうことが多かったため、試験何日か前にテキストを読んでいました。にもかかわらず、間違ってしまいました。公的年金を受給しているときは障害手当金は支給されないとテキスト欄外にあらためて書いていたんですが、それでも間違えるという・・・情けない限りです。出題歴も過去5回もあるところなので、絶対に間違えてはいけない肢でした。

続いて正しいと判断してしまったE。こちらは今読んでみるとなぜ正しいと判断してしまったのか不可解極まりないです。「平均額」ではなく「合算額」ですね。いや~、ホント不思議だなぁ、これが本試験の怖さなのかわかりませんが、たぶんDで少し悩んでそれを残したままEを何となく読んでしまったのかもですね。これも過去に1回ではありますが出題されたことがありますので間違えてはいけない肢でした。

Aはちょっと自信がなかったので保留にした肢です。第3種被保険者の被保険者期間の問題でしたが、どの期間で5分の6倍なり3分の4倍するか失念してしまいました。第3種被保険者という少しマイナーなところからの出題でしたが、過去には選択式も含めると7回も出題されていることからすると失念してる場合ではなかったですね。

Bは子の婚姻によって加給年金額の改定が行われることはすぐわかりましたので正しいと判断できました。これは意外にも過去に出題歴がなかったみたいですね。ただ、他の加給年金額の改定要件はちらほら出題されていることからするとしっかり押さえておかなければいけない肢であったと思います。

最後Cは資格得喪の厚生労働大臣に対する確認請求の問題。まぁ、これは特に問題なく正しい判断できました。ただ、過去には出題歴はないみたいですね。

ということで、厚年法初失点となりましたが、もったいない失点の仕方だったなと思います。とはいえ、元はといえば障害手当金の知識が不正確だったことにあるわけですから、やはり実力不足といわざるを得ないですね。

問4

問4は保険料の繰上徴収の問題でした。これはみた瞬間に「ラッキー」と思った問題でしたが・・・。間違ってしまいました。

使用しているテキストでは重要度マックスとなっていたところだったので、試験何日か前に見た箇所ではあったのですが、結果的にいえば記憶が曖昧でした。

繰上徴収ができる要件がいくつかありますが、一言一句覚えるのはきついのでキーワードで覚えていました。なので、「強制執行」、「破産手続開始」の文字だけで判断。イウが正しいとしてCを選んだというわけです。もちろん、エオについてもみましたが、エはすぐに間違いとわかりましたが、オに関しては迷いました。これもあった気がするなとは思ったものの、「強制執行」、「破産手続開始」の記憶は間違いなくあったので、結局初志貫徹で解答を変えることはしませんでした。

もったいない失点の仕方だったなと思いますし、過去にも何回も問われたことのある条文からの出題だったので落としてはいけない問題でした。

問5

自信満々の◎を解いた後につけていた問題にもかかわらず間違っていました。健保法でも◎つけて間違っていた問題があったのですが、あてにならない・・・。これはDを正しいと判断、Eを誤りと判断して間違ってしまいました。

まずは誤りと判断してしまったEから。これは肢Bに続いて改正のところだなぁと思って読んでいった問題でした。途中までは、これは正しそうだなと思っていたのですが、最後「あるいは・・・」以降が「ん?こんな条件あったけ」となってしまい、確かテキストには70歳未満の条件しかなかったはずと思って誤りと判断しました。あらためてテキストを読み返しても70歳未満の条件しか書かれていないので、記憶に違いはなかったです。Dの知識がしっかりしていればよかったのですが、まぁ、これは仕方ないかなと思います。

続いて正しいと判断してしまったD。テキストの中では経過的加算は重要度が低く、僕もあまりしっかりとした知識があったわけではなかったので、消去法的に正しいと判断してしまいました。確かによくよく読んでみれば増額対象になりそうではありますが、知らなければなかなか現場で判断は難しいなぁとは思います。

Aは基本中の基本といえますのですぐに正しいと判断できました。過去にも2回出題されているところなので絶対判断しなければならない肢といえます。

Bも改正されたところから。60月×1000分の4で24%減額となるので正しいと判断できました。1000分の4が適用されるのは昭和37年4月2日以降生まれの人ということもしっかり覚えていないといけないところでしたね。

最後はCですが、これも過去に2回出題されているところだったので、特に問題はありませんでした。

ということで、ABCが自信をもって判断できただけにDEの判断はちょっと残念だった気もします。ただ、どちらもテキストには載っていなかったので、まぁ、仕方ないといえば仕方ないかなと思います。

問6

問6も問5に続いて◎をつけておきながら間違った問題。AからみていってABは明らかに誤りとわかり、Cが正しいと自信をもって判断、DEはみることもなく次の問題に行ってしまいました。

まずは正しいと判断してしまったCから。上記のとおり自信をもって正しいとしたのですが、条文をみると「その権利を取得した当時」とあるので、この肢は誤りになります。完全に間違って覚えてますね。おそらく障害厚生年金の加給年金だと受給権を取得した当時でなくてもいいので、これと混同して覚えていたのだと思います。過去に3回出題されていることからして間違ってはいけない肢でした。

Aは障害厚生年金は子に加給年金は加算されないのですぐに誤りとわかりました。出題歴が4回あるので、これも間違ってはいけない肢ですね。

Bは特別加算がつくのは老齢厚生年金で、障害厚生年金には特別加算はないので、これもすぐに誤りとわかりました。老齢厚生年金の特別加算についても出題歴が選択式も含めれば7回もあるので、これも間違ってはいけない肢といえますね。

Dは試験では見なかった肢ですが、60歳台前半の老齢厚生年金の加給年金は定額部分が出る人しかもらえないので、前段は正しいと判断できます。後段も法附則7条の3第6項から正しいと判断できます。ただ、試験中にこの肢をみたらCと悩んでしまうだろうなと思います。それくらいCは正しいと思い込んでいたので。この問題自体は30秒くらいで解き終わったのですが、もしDもみていたらかなり時間を食ったのではないかと思います。択一式全体を通してみれば時間ギリギリだったので、それを考えれば仕方ないのかなと思います。まぁ、しっかりとした知識を身につけていれば何の問題もなかったわけですけどね。

最後は、これも試験中みていないEです。これは「生計維持状態がやんだとき」にあたり、額の改定が行われることから誤りと判断できます。ただ、これは知らなくても加給年金の制度趣旨を考えれば誤りと判断できるなとは思います。

ということで、問6は知識を混同してたが故に落としてしまいました。知識の混同は社労士の勉強においてはよくあることですが、このあたりは違いを意識しながら知識を定着させていくしかないのかなぁと思います。まぁ、でもこの問題を落としたのはやはり痛いですね。

問7

問7はどの肢もみたことがあるなぁという印象でしたが、微妙によく覚えてないところもあって自信がなかった問題でした。結局肢Aを正しいと判断してしまって間違えました。

まずそのAから。これはいわゆる5要件のうち4つは満たしていて、常時40人の地方公共団体ということで特定適用事業所ではないということで厚生年金保険の被保険者とはならないと判断しました。特定適用事業所の要件に該当しなくても何か同意があれば被保険者になるというのがあったなと思いましたが、その同意のことも何も書いていないしね。でも後で調べたら地方公共団体は人数問わず特定適用事業所扱いになるとか、それは知らなかったなぁ。

続いて誤りと判断してしまったB。これもみたことはありましたが、どっちだっけなぁと迷ってAと比較して結局こちらを誤りと判断してしまいました。法人の代表者が被保険者になるか否かは過去にも2回出ているので、間違いはもちろん迷ってもいけない肢でした。

迷ったといえばEも少し迷いました。法定16業種をすべて押さえていたわけではなかったので、宿泊業が法定16業種に入るかどうかはよくわからず。ただ「旅館」が法定16業種外に書かれていたのは覚えていたので、宿泊業は法定16業種以外だろうということで誤りと判断しました。ここも過去2回出題されているところなので、もっと素早く処理しなければならなかったところでした。

Cは学生ではありますが、1週間及び1ヵ月の所定労働時間がともに4分の3以上を満たすので被保険者になると判断して誤りと判断しました。

Dはこれはよくみるやつですね。強制適用事業所に該当しなくなったときは任意適用の認可があったものとみなすので、これはすぐに誤りと判断できました。過去にも6回出題されている頻出問題なので間違ってはいけない肢です。

ということで、問7はAについて知らなかったこともありましたが、やはりBをしっかり判断できればAは関係なく正答を導けたことを考えるとやはり落としてはいけない問題だったかなぁと思います。

問8

5連続間違いの後しばらくぶりに正解した問題。これも間違った問題同様自信はあった問題です。

Aは標準報酬月額や標準賞与額が変更されれば総報酬月額相当額は変更されるので誤りと判断しました。

Bは70歳以上の者はどうだっけなぁと思いましたが、たぶん適用されたはずと思いつつ一旦保留。

Cは老齢基礎年金は支給停止の対象にならないというのは正しいけど、経過的加算額も支給停止の対象にならないのでここが間違っているということで誤りと判断。

Dは60歳台前半の老齢厚生年金と高年齢雇用継続基本給付金との支給調整の問題。ここは正直苦手なところでしたが、いろいろと区分されているから苦手なんであって、無条件に60歳台前半の老齢厚生年金が全額支給停止されるんだったら苦手にはならんということですぐに誤りと判断できました。ここは法附則ながら過去に6回も出題されているのでやはり落とせませんね。

最後Eは支給停止調整額の問題。これは年度ごとに改定されることがあることはすぐにわかりましたので正しいと判断できました。ということで保留していたBは誤りと判断してEを正解に選びました。

問8は法46条を中心に過去にも問われたことのある肢ばかりでしたので、絶対落としてはいけない問題だったかなと思います。

問9

これも自信をもって◎を試験中打った問題です。

まず正解肢となったBから。「基準日である7月1日」とあった時点で間違いとわかるため、これが答えだとすぐわかった問題でした。3月に受けた年金アドバイザー2級でも出てきましたが、このときは「基準日」って何?って感じだったことを考えると自分も多少は成長したなぁと思いますね。

Aは選択式で過去1回出た問題ではあります。基本的な問題だとは思いますが、文にするとなかなか難しく感じます。現場ではたぶん正しいと思いながら保留して次にいきました。

Bの時点で答えは出ましたが、少し時間的には余裕があるなとこのときは思ったので、一応C以下もこの問題は見ていきました。Cは択一で9回、選択式でも1回出たことのある法92条1項からの問題。超頻出なので、基本権と支分権の時効の起算点の違いをしっかり意識して正しいと判断することができました。

Dは老齢厚生年金の繰下げの特例の問題。これは試験3日前ほどにあらためて講義を聴きなおした箇所であったので、すぐ正しいと判断できました。

Eは加給年金の支給停止の問題。これも過去に6回出題されているところなので、すぐに正しいと判断することができました。

ということで、問9は在職定時改定の基準日という基本的知識が答えに絡んでいる問題だったので絶対に落とせない問題だったかなと思います。

問10

最後は問10です。これも自信があった問題ではありました。

まずは肢Aから。これは法人化したら適用事業所になるので誤りだと判断しました。

Bは2カ月以内の期間を定めて使用される者は適用除外にあたるのですぐ誤りだとわかりました。このあとに書いてあるいつから被保険者となるかの正誤判断だったら迷ったかもしれないです。

Cは子のいない妻の中高齢寡婦加算は夫が死亡時に40歳以上でないと加算されないので、本肢の場合38歳ということで誤りと判断しました。これは過去にも択一式で6回、選択式でも1回問われていることから判断できないといけない肢ですね。

Dも後段に関しては過去8回も出題されているところなんですが、試験の現場では悩んでしまいました。障害認定日というのは覚えていたのですが、障害認定日の前月までなのか当月までなのかはうろ覚えで確信がもてなかったので保留しました。結果としてはEが明らかに正しいとわかったので、Dは誤りと判断できたわけですが、超頻出条文からの出題だったことを考えればしっかりと判断できなければいけない肢でした。

最後Eは未支給の保険給付の問題でした。これは条文そのままだったので難なく正しいと判断できました。これも過去に3回出題されたことがあることから判断できないといけない肢だったと思います。

ということで、問10は過去に複数回出題された肢も多く、これも落としてはいけない問題だったかなと思います。

総評

今年の問題はほとんどが被保険者と保険給付からの出題でした。僕が使っているテキストでいうと第2章と第5章に集中していて典型的な問題が多かったような気がします。だからこそ僕もそこそこ自信がある問題が多かったのですが、結果としては半分の5点しかとれなかったのは痛恨でした。

失点の原因としては、知識のうろ覚えだったり、勘違いだったりとありましたが、やはり頻出問題でそれがあると点は伸びないですね。健保法と同じになってしまいますが、複数回出題歴があるところは絶対に落とさないように今まで以上に意識して勉強していこうと思います。