海事代理士試験プチ合格体験記

海事代理士試験に合格しましたので、簡単な合格体験記を書きたいと思います。

受験データ

受験回数

1回(筆記試験:2019/9/27、口述試験:2019/11/25)

成績

201点(240点満点)※自己採点結果です。合格点=151点以上

勉強期間

筆記試験:2019年8月19日~9月27日(40日間)

実際勉強した日数:36日間

口述試験:2019年11月3日~11月25日(23日間)

実際勉強した日数:15日間

総勉強時間

筆記試験:61時間11分 口述試験:12時間14分

合計:73時間25分

※筆記、口述ともに試験当日の勉強時間は含まれていないので、上記にそれぞれ2時間程度プラスした時間が総勉強時間となります。

使用したテキスト・問題集など

・平成21年~平成30年筆記試験、口述試験過去問(国交省サイトより)

・海事六法


かかった費用

受験料:6800円 海事六法:5184円 旅費:21350円

合計:33334円

※旅費は宿泊費と飛行機代のみ

勉強方法

筆記試験

筆記試験については、まずは各科目の全条文を素読することから始めました。条文を読んだら過去問を解いていき、また条文に戻って、出た箇所に黄色のラインマーカーをひいていきました。

2回目に出てきたときは、さらに黄色のラインマーカーの上にピンクのラインマーカーを重ねていきました。これで過去問で出てきた条文や用語が一目でわかるし、過去問で複数回出てきた箇所も明確になります。

この作業が生きたのが試験当日です。試験当日は試験時間は長いですが、早々に退出できるので、勉強する時間が結構あります。僕の場合、その時間でラインマーカーが引かれている条文を読んでいきました。それでも時間があるようだったら、それにプラスして周辺の条文も読んでいきました。例えば、第1条第1項にラインマーカーが引いてあったとしたら、第2項も読んだりしていました。

基本的には上記のような勉強方法でしたが、中には例外もあります。それが船舶職員及び小型船舶操縦者法や海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律です。

これらの科目は過去問がほとんど消化できなかった上に、条文数も多くてろくに読みこなせていませんでした。

なので、過去問に答えを書き込んで、ひたすら暗記です。こういう勉強の仕方は好きではないのですが、もうそんなことは言ってられません。特に船舶職員及び小型船舶操縦者法は、配点が20点あるので、試験当日の朝早く起きてやっていました。

また、新科目の2科目についても、過去問はないので、試験当日の控室で条文を読んで何とか間に合わせたという感じです。

試験勉強の時間が短いとどうしてもこんな感じになってしまうのですが、最後まであきらめずにあがくことがこの試験の場合重要かなと思います。そのあがきがかなり結果に左右することになると思いますので。

そのあがきを結果につなげるためにも、試験当日何をするかしっかり決めておいた方がいいと思います。

僕の場合も、試験当日に勉強する時間があることはわかっていたので、マーカーを引いた条文だけを読むことは勉強開始した当初から決めていました。

試験結果は自己採点で200点を超えていたので、余裕に見えるかもしれませんが、実際は一杯一杯で、試験当日の勉強時間がなかったら筆記試験すら危うかったかもしれません。そのくらい勉強時間が短い人にとっては、試験当日の勉強は重要ですので、最後まであきらめずにやっていただけたらなと思います。

口述試験

筆記試験から口述試験まで約2カ月あり、試験科目も4科目となるので、筆記試験に比べれば負担はかなり減ります。

しかし、試験勉強時間数もみてもわかるとおり、試験当日含めても15時間程度の勉強しかしていません。他の試験の勉強で忙しかったので、なかなかこちらまで手が回らないという状態でした。

結局本腰を入れて勉強をしたのは、11月17日にあった日商簿記の試験後ですから、1週間前ということになります。まぁ、それでも1日1時間くらいしかできない日もあったので、かなりヤバいなと思っていました。

という状況でしたので、やることはただ1つ、過去問です。一応、筆記試験で引いた条文だけは読んで、少し記憶を喚起させてから過去問をやりました。

まぁ、それでも最初は忘れてしまって全然わからないし、筆記試験では出てこなかった箇所もあったりで、焦燥感は半端なかったです。

とりあえず、過去問に出てきたものは全部暗記するつもりではいたものの、なかなか厳しかったです。特に模範解答が長いものはすぐ忘れてしまいます。

そこで、模範解答が長いものは、キーワードだけ拾っていこうと考え、それだけ覚えるように努めました。

例えば、船舶法に出てくる手続の流れを答える問題なんかは、全部覚えるのはなかなか大変だったりします。なので、総トン数の変更であれば、①「改測申請」②変更登録③「同時に船舶国籍証書の書換申請」④「返還」という感じで覚えていきました。本当は「誰が」「どこに」まで答えなければならないのですが、一番怖いのは、本番で全部を思い出そうとして何も出てこないことです。

何も出てこなければ、面接官も点数のつけようがないので、完全解ではなくても上記キーワードを出しておけば部分点はくれるはずです。まぁ、手続きの流れに関しては、過去問であまりにも何回も出てくるので最終的には完全に覚えてしまいましたが、長い解答はキーワードを抽出して覚えていくと覚えやすいし、本番の時の精神的負担も減ります。

また、口述対策としては、やはり誰かに問題を出してもらう練習はした方がいいと思います。僕は結局出来なかったですが、それでも試験前日に自分で問題を読んだものをスマホに録音して聞いたりはしていました。

問題を目で追うのと耳で聞くのではやはり全然違います。耳で聞くとなかなか入ってこないんですよね。緊張感のある本番ではなおさら入ってこないので、免疫をつけるためにも自分の声で録音したものでもいいので、聞いておくといいかなと思います。

僕の口述試験の勉強としては①過去問を解いた②問題を録音して聞いたという2点だけですが、もう1つやったことがあります。

それが口述試験のシミュレーションです。これは誰かに問題を出してもらうとかそういう意味ではなく、試験時に起こりうることを想像する作業です。例えば、いきなり1問目からわからないということもありうるだろうし、連続して答えられないこともあるかもしれないし、わかるはずの問題なのに答えがでてこないかもしれない。

あらかじめネガティブな状況を想定しておくことで、いざ本番でそうなったときに頭が真っ白にならないようにと思ってやっておきました。

僕の場合、勉強時間も短くて自信がなかったことから、そういう状況は必ず来ると思っていたので、今思えばかなり重要な作業だったかなと思います。

実際、本番でもいきなり1問目からわかりませんでしたし、船舶職員及び小型船舶操縦者法でもわからない問題が多かったりしましたが、焦りはしても、頭が真っ白になって何も答えられないといったことはありませんでした。

口述試験は精神面でもかなり左右されうる試験ですので、あらゆる状況を想定しておくことは大事なのかなと思います。

反省点

反省点としては、筆記試験では過去問をすべて終わらせることができなかったことがあげられます。18科目ある過去問のうち半分の9科目しか10年分を終わらせることができませんでした。

また、上記とも関連するのですが、過去問を解いて解答をみても、国交省のサイトの解答では条文が載っていないため、自分で海事六法で条文を探さなければならなかったため、多くの時間ロスを生んでしまったことです。ここは、素直に過去問集みたいな書籍を購入すべきだったかなぁとも思っています。

ただ、自分で条文を探していたので、その過程で解答となる条文だけでなく、周辺の条文も読んだりしたので、もしかしたらそのあたりで科目全体の理解度が増したかもしれません。なので、一概に時間ロスだったとも言い切れないところがあります。

口述試験は、勉強時間が短かったというのが反省点ではありますが、まぁ、短い時間の中でよくやったかなと思っています。